12〜13世紀にかけ、神学者たちが天使に階層をつくり、ランク付けをしました。以下に記したのはその中でも最もメジャーとされているものです。第1階級〜第3階級に大別され、更にそれぞれの階級の中で1番〜3番まで位が異なります。

永遠の礼拝を捧げながら神をとりまいている上級天使。

「燃えさかる蛇」というヘブライ語源を持つ天使のトップ。 常に神を讃える歌を唱えながら、神のまわりを回っています。 まばゆい力で罪や汚れを浄化する力を持っていて、キリスト教では6枚の翼を持つとされています。
それゆえ、絵画の中では、6枚の翼で顔を覆われた、ちょっと不気味!?な天使像で表現されることが多いのです。


へブライ語で、「知識」「仲裁する者」と言う意味を持つ名前。最も多くの知識を持つとされていて、その知性を下位 の天使に与えることが役目です。 絵画においては、セラフィムと同様の姿で表現されることが多いので見分けがつきません 。


神の王座を運び、支える尊厳と正義の天使。 神の王座を運ぶという役目から車輪と呼ばれることもあります 。

また、「戦車」「瞳」と言った意味を持つ名前から車輪や数多くの目で表現さ れています。

星と四大元素を支配する中級天使。善と悪や物質と霊といった対立するものを調和させる役割を持っています。人間と接する機会がほとんど無いので、絵画の中で登場することはほとんどありません。
神の意志を実現するためにするべきことを決定し、天使の務めを統制する天界の行政官。 森羅万象に関わる命令を請け負っています。
地上に奇跡をもたらし、英雄や善人に恵みと勇気を授ける役目。
脳天使と共に宇宙の物理法則を保つことも行っています。

自然界の法則の秩序を守る手助けをする役目。また、悪魔のたくらみを阻止する役目も持っています。 堕天使 (悪魔)に接する事が多いため、堕天率が高いとされています。
ところで悪魔は頭に角が生え体は毛むくじゃら、背中にはコウモリの翼だったり、と醜い姿で描かれています。

権天使は地上の王国を守護し、大天使と天使は神の使者とされている下級天使。


「プリンスが支配する領地」と言う意味を持つ名前。地上の国や都市を統治支配する役目。そして、人間の指導者を監視し、その正義への決意を鼓舞します。また、善霊を悪霊から守る役割も持っています。

神と人間を取り持つ仲介者。天使の中で8番目の下級ではありますが、トップランクの権力と能力を与えられています。 ユダヤ教、キリスト教共に大天使の数は7人。
そのうちのミカエル・ラファエル・ガブリエルが3大天使と呼ばれ、人間ともなじみの深い大天使。ウリエルを加えて4大天使と呼ばれることもあります。

最も人間に親しみやすく、神と人間との間を取りなし、大天使の命令を実行する天使。


絵画の中に登場する天使は旧・新約聖書及びそれらの偽典・外典の物語に基づいて描かれているのですが、その物語によく登場する天使がミカエル・ラファエル・ガブリエルの3大天使です。

「神に似たもの」という意味を持つ名前。
主に最後の審判で人間の魂を天秤に掛けて、天国行きか地獄行きかを決める役割。

天国行きか地獄行きかを決める役目上、持ち物に天秤が描かれることが多い。そして、ヨハネ黙示録の中でこのミカエルがドラゴン退治をするという物語から、鎧を着て剣を持っている姿で描かれることも多い。
また、彼がルシファー(サタン)を天界から追い出したとき、ルシファー(サタン)は黒イチゴの上に落ちたという中世のお話に由来して黒イチゴを持つこともある。 堕天して悪魔のボスとなったサタン(ルシファー)とは兄弟であるとも言われています。

「神は癒す」と言う意味を持つ名前。若者や旅人の保護者であり、病気や怪我を治す力を持っています。
服装は裸足にサンダルを履き、水筒や小箱(聖体器)、袋(現在のリュックサックの役目)、杖などを持っている旅人スタイルで表現されています。

「神の内に我あり」「神の英雄」と言う意味を持つ名前。天国の広報担当で、 夢や幻の解説者でもある天使。有名な登場シーンは受胎告知。聖母マリアと共に描かれることが多い。

トレードマークは白い百合もしくはオリーブの小枝とか棕櫚の木。
このアイテムは聖母マリアの純潔を意味しています。
 
天使のひきだし〜美術館に住む天使たち〜(著者:視覚デザイン研究所・編集室)