最も古い食べ物のひとつに数えられるチーズ。紀元前3000〜4000年、中近東で発祥しトルコ、ギリシャを経てイタリアに伝わってきました。
中部イタリアの先住民族エトルリア人が作り始め、ローマ時代に古代ローマ人によってさまざまなチーズが作られるようになりました。 この頃、10種を超えるチーズがあったと言われています。
当時の主要原産地は北イタリアのロンバルディア平原に位 置するポー河流域からアルプスの高地へ向かう地方でした。この辺りはイタリアで最も有名なチーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」の故郷でもあります。
イタリアの熟練したチーズ作りの伝統と美食文化。豊かな資源と技術に支えられてイタリアのチーズ産業は発展してきたのです。
  「原産地呼称制度」。ワインと同じく、チーズにもD.O.Cがあり、偽造防止、品質保持、生産者保護のため、決められた場所と製法以外で作られたチーズはその名前で呼ぶことを禁じられています。たとえばパルミジャーノはパルマとレッジョエミリア地方、バルサミコ酢で有名なモデナ、ボローニャで作られること、2年から3年熟成させること、その製法や牛乳の搾取時間、脂肪分まで法律で決められています。現在は30種類のチーズが認可されています。
FDOCチーズとその産地

パルミジャーノ・レッジャーノ(エミリア・ロマーニャ) ゴルゴンゾラ(ピエモンテ、ロンバルディア) グラナ・パダーノ(エミリア・ロマーニャ、ピエモンテ、ロンバルディア) フォンティナ(ヴァッレ・ダオスタ) タレッジョ(ロンバルディア) アジア_ゴ(ヴェネト) ぺコリーノ・ロマーノ(ラツィオ、サルディーナ) ぺコリーノ・トスカーノ(トスカーナ) ぺコリーノ・サルド(サルディニア) ぺコリーノ・シチリアーノ(シチリア) モッツァレラ・ディ・ブファァラ・カンパーニャ(カンパーニァ)モンタージオ(トレヴィ_ゾ) ムラツアーノ(ピエモンテ) カステルマーニョ(ピエモンテ) ラグザーノ(シチリア) ラスケーラ(ピエモンテ) カネストラート・プリエーゼ(プーリア) プロボローネ・ヴァル・バダ_ナ(ロンバルディア、トレンティーノ、ヴェネト、エミリア・ロマーニャ) カショッタ・ドルビーノ(ウルビーノ) クアルティローロ・ロンバールト(ロンバルディア) フェルマイ・デ・トゥ・デッラルタ・ヴァッレ・ブレンバーナ(ロンバルディア) ビット(ロンバルディア) カチョカバロ・スィラーノ(カンパー二ァ) フィオーレ・サルド(サルディーナ) モンテ・ヴェロネーゼ(ヴェローナ) ロビオーラ・ディ・ロッカヴェラーノ(アスティ) トーマ・ピエモンテ_ゼ(ピエモンテ) ヴァッレ・ダオスタ・フロマッヅォ(ヴァッレ・ダオスタ) ヴァルテリ_ナ・カゼーラ(ロンバルディア) 
北イタリアと南イタリアでは原料乳が異なる。 北は牛乳、南は羊
牛乳製以外のチーズはミルクの名称を名乗らなければならない。
     例 ぺコリーノ=ペコラ(羊)
        モッツァレラ・バッファロー=バッファロー(水牛)
パスタにピッツァにカルパッチョに・・・、イタリアでは料理にチーズが欠かせません。
 

では、実際にイタリアでチーズを買ってみましょう。 どんな地方に行っても、メルカートやスーパーマーケット行けば必ずチーズが買えます。しかもチーズ売り場のスペースはとても広くて種類も豊富。いかにイタリアの家庭料理にチーズが欠かせないかがうかがえます。 おすすめはFIRENZEの中央市場1階右手奥にあるチーズ屋さん。
生ハムやオリーブのマリネなんかも売っていて、好みの具でパニーニも作ってくれます。へたなバールの出来合いパニーニよりおいしいですよ。 チーズの買い方は簡単。「Questo formaggio uno etto per favore!」と笑顔で元気よく頼みましょう。
きっとお店のお兄さん(おじさん?)が快くカットしてくれるでしょう。
100gからでも売ってくれます。
対面販売で買う勇気がない人はスーパーで真空パックになったものがお勧め。カットしたてのチーズに比べてフレッシュ感は欠けますが、気軽に買えます。
モッツァレラなどフレッシュタイプのチーズはイタリアで食べて日本には「おいしかったよ」というおみやげ話を持ち帰りましょう。チーズそのものをおみやげにするのはおすすめできません。
ミラノのマルペンサ空港の免税店でもチーズは売られていますが、街中に比べて割高ですし、風味も落ちます。ぜひ、町にあるお店で買ってみてください!!

 
 
Fratelli Fabbi(フラッテリ・ファッビ)  Via della CROCE27
スペイン広場前Condotti通りより2本北にある通り沿い。ハムやチーズを少量 からでも量り売りしてくれる。観光客や地元の人でいつも込んでいる。
 
ALIMENTARI FEMIO(アリメンターリ・フェミーオ内にあるチーズ売り場)
G.CASTELLO 3540 ヴェネチアは道が入り組んでいて苦手・・・かも。
行き当たりばったりで行きついたお店です。いわゆる観光スポット、サンマルコ寺院やアカデミア美術館とはまったく離れた住宅地にありました。なんで、そんなところに行っちゃったんでしょうねえ?時間に余裕がある方は、住所をヒントに探してみてください。素敵なお兄さんが待っていますよ。
 
フィレンツェの青空市 ローマ
フラッテリ・ファッビ
ヴェネツィア
快くパルミジャーノをカット!
  ROTONDAが訪れたシエナ郊外の小さなチーズ工場「FAGGINA di FORMAGGIO」。そこではPECORINO・TOSCANOとRICOTTAが生産されていました。
 
  タンクで絞りたての羊乳が運ばれてくる。
  羊乳を70℃ぐらいに加熱して殺菌する。
  32〜33℃に下げて羊乳をか固め、レンネット(牛の胃袋にある酵素剤)を加える。
  米粒ぐらいの大きさに固まったら小さな袋に詰めていく。
  型に入れ、塩水に一晩つける。
  3〜4日ごとに上下をひっくり返して乾かす。気温12〜14℃、湿度85〜90%の部屋でだいたい1ヵ月 〜 45日熟成させる。

※ この工場では一日に700〜800個のペコリーノチーズが作られている。
※ 1個だいたい1.5kg、14,000リラ。中にトマトペーストやオリーブペーストが入ったものもあり、それらは何も入っていないものに比べて若干高かった。
※ 11〜12月は羊乳が搾乳できないからチーズを作ることができない。
※ 羊乳はチーズにすると1/5量になる。
 
  ペコリーノを作った時に出た残り汁(乳清)をもう一度70℃ぐらいに温める。
  表面にたんぱく質が固まったものが浮いてきたらすくい上げる。
  乳清に羊乳を足し、浮いてきた泡をこまめに取り除く。 そうしないと硬くて汚いチーズになる。
  塩水を加えて78℃に保つ。網ですくい取ってできあがり。できたてをすぐにいただく。

※ ドルチェや前菜、ニョッキなど料理に使われることが多い。
※ 脂肪分が少なくてとてもヘルシー。
 
  小さなペコリーノチーズのこと。
3月になると、4月のPASQUA用に子羊をたくさん育てなくていけなくなります。そのため3月は羊乳が不足気味。だから、サイズの小さなペコリーノが作られています。
熟成は15日、大きなものより短く、フレッシュなままでもいただけます。
ペコリーノ作り   リコッタ作り 羊乳タンク
  イタリアのチーズは400種を超えるといわれています。そのほとんどが、ナチュラルチーズです。
パルミジャーノ・レッジャーノ
parmigiano・reggiano
ハードタイプ。エミリア・ロマーニャ州
パルミジャーノとは「パルマ」という意味。一個30〜40kgの重さ。3年以上熟成させる。豊かでうまみとこくがある。
グラナ・パダーノ
grana・padano
ハードタイプ。エミリア・ロマーニャ州 北部パダーノ平原から名前を取った。熟成は1年。 パルミジャーノより安く、イタリアの食卓には欠かせない。
アズィアーゴ
asiago
ハードタイプ。ヴェネト州アズィアーゴ村 イタリア人にとって日常的なチーズ。軽い酸味と甘味があり、家庭でよく消費されている。
モンターズィオ
montazsio
ハードタイプ。フリウリ=ヴェネチア・ジュ−リア州 オーストリア国境の山奥で作られている。日本未輸入。土地の人だけで消費されてしまっている。
カステル・マーニョ
castelmagno
ハードタイプ。ピエモンテ州。 農家で5〜9月の間だけ作られる。イタリアでも貴重なチーズでゴルゴンゾラの4倍の値段だとか。
ぺコリーノ・ロマーノ
pecorino・romano
羊乳タイプ。ラッツィオ州 ローマ近郊で作られ始めた。塩気と酸味が感じられる。 このチーズで作るのが、本場のカルボナーラソース。
リコッタ
ricotta
フレッシュタイプ。 「リコッタ」とは「二度煮た」という意味。ホエーから作られる。 さっぱりしていて、お菓子や詰め物パスタの具になる。
マスカルポーネ
mascarpone
フレッシュタイプ。 言わずと知れたティラミスのチーズ。乳脂肪分70%以上。 こくがあり、濃厚な生クリームのような味わい。
モッツァレラ・バッファロー
mozzarella bufala
フレッシュタイプ。水牛製。カンパーニャ州 「引きちぎる」という意味。その名のとおり、熱湯の中で引きちぎって作られる。加熱するとのびる。
ゴルゴンゾラ
gorgonzola
青かびタイプ。 世界三大ブルーチーズのひとつ。クリ−ミーでまろやか。パスタやリゾット、肉料理のソースに。ピカンテという辛口のものある。
フォンティナ
fontina
ハードタイプ。ヴァッレダオスタ州。 アルプスのチーズ。イタリア版チーズフォンデュ、フォンデュータはこのチーズで作られている。
タレッジョ
taleggio
ウォッシュタイプ。 表面を水で洗って熟成させる。若いうちは穏やかな中にかすかな塩気と酸味が感じられる。フルーツと一緒にどうぞ。
クルティン
crutin
ハードタイプ。ピエモンテ州 黒トリュフと一緒に煮た牛乳が原料。1kg1万7千円!!トリュフの香りが楽しめる贅沢なチーズ。
   
疲れた牛から生まれたゴルゴンゾラ
  ゴルゴンゾラはミラノの東にある村の名前からとったもの。この村は昔、アルプスで放牧していた牛を里に降ろすときの 休憩所だったそう。長旅で疲れた牛の乳で作られたチーズが柔らかくておいしいと評判になりSTRACCHINO(疲れた) ・di・GORGONZOLAという名前のチーズになったとか。
銀行が管理するパルミジャーノ・レッジャーノ
  イタリアチーズの最高傑作と称されるパルミジャーノ・レッジャーノ。ひとつウン十万円する代物です。
イタリアでも価値 のあるチーズとして有名で、投機の対象になるほど。もしかしたら、イタリアリラよりも信用がおけるか もしれないこのチーズ。このチーズの熟成は銀行が管理しているところもあるのだとか。
   
  〈参考文献〉
  チーズでめぐるイタリアの旅 本間るみ子著  駿台曜曜社
ヨーロッパチーズの旅 坂本嵩著  フレーベル館
ステップ式チーズ案内 本間るみ子著  中央公論社
エリオ チーズ NHK出版
イタリア料理&食材カタログ  新星出版社
基本イタリア料理 林茂著 TBSブリタニカ