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ヴェネト州西端に位置するイタリア最大の湖、ガルダ湖Largo
di Gardaの東岸、背後にバルド山Monte Baldoを従え湖畔にしがみつくようにこの小さな街、マルチェージネMalcesineはある。
この街へのアクセスは、ヴェローナVeronaからバスという手もあるけれど、ぜひ、湖から船で訪れることをお勧めしたい。
船上から想像する限り、街の北湖畔の岩の上に建ち、ヴェローナを治めたスカリジェッロ家の城、スカリジェッロ城Castello
Scaligeroは、街のシンボル的存在のように感じられたが、そこからの眺望を、ほとんど期待していなかった。 |
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船を降りたら、さっそく城ヘ向かって迷路のような街が待っている。
一歩街へ入ると、中世の町並みや、城へ向かって勾配のある狭い石畳の道が、魅力的な街の演出を盛り上げ、次の角を曲がると何が待っているのかと、期待でワクワクしてくる。
その上、この迷路のような狭い石畳は、方向感覚をあいまいにし、人の流れで城への道をたどることになるのだ。 |
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お目当てのスカリジェッロ城(見学は3月〜10月は9時30分〜19時、11月は休館。
12月〜2月は土曜・日曜のみの開館で、12時〜17時)の門をくぐると、小さな博物館やゲーテを記念した部屋等、誘惑がいくつも有るけれど、まずは城のテッペンを目指して階段を登ってみる。
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途中、テラスから眼下に広がる街並は、湖西にそびえる青い山々、城の背後に裾を広げる緑のバルド山、そしてオレンジ色の瓦屋根と、気がつけばカメラのシャッターやビデオは回りっぱなし。
さらに登るにつれ、小さな窓から見え隠れする湖や山や街の瓦屋根たちが、否応なしに頂上の景色のすばらしさを予感させる。
最後の急な階段を上がりきると、湖上からの想像を見事に裏切る美しさが待っていた。
360゜に魅せる岩山、遠く北の街まで続く深く青い湖、点在するオレンジの屋根、狭い路地は瓦の中に埋もれ、愛らしい街を引き立てている。
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…ああっ、ここの王様になりたかった。…
かのゲーテがイタリア旅行の際、このマルチェージネにも立ち寄り、城のスケッチをしたことがもとで、当時この地を支配していたヴェネツィア共和国に対するスパイ行為として捕まったと言われるエピソードも、絵に残しておきたい衝動に駆られる美しさを持った街だからこそなのだと想像する。
いつまでも、城の庭のベンチに座って、ずっと景色を味わっている観光客に共感しつつ、この小さな城を後にする。 |
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城の入り口近くの博物館には、考古学資料、街の歴史、ガルダ湖やバルド山一帯の動植物資料、かつてこの城が軍事要塞として造り変えられたこともあり、武器資料もある。
そして、先のエピソードの主人公、ゲーテ記念の部屋には、彼がヴェネト州でたどった足跡地図も展示されており、その道のりは著書『イタリア紀行』にも書かれている。 |
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せっかく湖畔にいるのだから、昼食も湖畔でとりたい。
取り囲む美しい景色が、すばらしいご馳走になるはず。
城外へ出て、街の井戸端会議場であるPiazza(広場)、袋小路の路地裏通り、文房具屋さん、洗濯屋さんなど日常生活を覗きながらの散策を楽しんだ後、時間が許す限り小さな港横の、やはり湖畔のBar(バール)でお茶(ビール?)の時間を持ちたい。
マルチェージネを存分に味わった後は、幸せなイタリアでのひとときへの感謝を忘れずに。
Grazie! |
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